日本の地方都市は、少子高齢や人口流出などの課題を抱えて厳しい現状にあります。こうしたなかで、地元で育まれてきた伝統文化に対する地域住民の思いやそれらを維持・継承してゆくことの苦労などを、学生たちが多少なりとも共有させていただこうと、神原が担当する「ゼミナールⅡ」(2年生:後期科目)では、昨年10月、兵庫
県篠山市にある春日神社で行われる祭礼に太鼓神輿の担ぎ手として、また鉾山の曳き手として参加させていただきました。12月にも、再度、篠山市でフィールドワークを行い、地域の活性化や伝統文化の継承をいかに行ってゆくのかという課題に向き合い、考えてきました。ようやく学生ならではのアイデアが芽生えてきたところです。
2018年の年明けには、篠山市での実習を踏まえて、大都市における課題を考えるために、学生たちが慣れ親しんできた神戸の街をフィールドワークしました。
まず、最初に訪れたのは「東遊園地」です。阪神・淡路大震災の発生からまもなく23年目を迎える1月12日に、公園内にある「1.17希望の灯り」と「慰霊と復興のモニュメント」を見学しました。その後、旧居留地、三宮神社、元町商店街などを通って、神戸を代表する観光地のひとつである南京町を訪れました。
道中では、古い写真を手掛かりにして、神戸の街の変遷を知るとともに、川崎和也実習助手から神戸の歴史や文化などについての説明を受けました。とくに、近代西洋風建物を残しながら、神戸のビジネスやファッションの中心地として発展してきた旧居留地の様子は、篠山市における伝統的建造物を活かしたまちづくりの取り組みを考えるうえでとても参考になりました。