ご承知のように、2020年度は大きな困難とともに始まりました。その影響により、授業開始は5月11日(月)に延期となり、開始後の授業も原則オンライン方式で行うこととなっています。
大学キャンパスは本来、多くの学生が集い、授業や課外活動などで密接して交流することにこそ価値がある場所です。それが、今現在その本来の姿をとることができない状態に追い込まれています。とても悲しく、またきわめて残念なのですが、新型コロナ感染症との闘いのため、少しでも感染を終息させるのに貢献するため、こうした「仮の姿」をとらざるをえないことを、どうかご理解くださいますようお願いいたします。
5月11日以降始まるオンライン授業のため、いま教職員は全力で準備をしています。キャンパスで顔を合わせることはできないですが、ネット上で知識の伝授と意見の交換ができることを心から楽しみにしています。特定の科目では、ネットを介して顔を見ながらの授業もあることと思います。どうかもう少し待っていてください。もし、学修面あるいは生活面などの不安等があれば、授業開始前でも結構ですから、指導教員に遠慮なく相談してください。
今回の新型コロナ感染症問題では、いわば社会全体の在り方が問い直されています。どのような社会であればよいのか、犠牲や費用を可能な限り小さくするにはどうしたらよいのか、現場の実態をふまえた正確な情報とその多角的な検討がますます必要だと痛感しています。
現代社会学部の学びは、様々な専門分野から構成される授業と現場に出向く実習から社会の実態に迫るという理念から成り立っています。現代社会における問題は、今回の新型コロナ感染症問題だけではなく、少子高齢化問題、巨大災害に対する防災、グローバル及びローカルな格差あるいは差別の問題等、どれをとっても現場の正確な状況の把握と複数の専門領域からのアプローチを必要としているからです。
現在、そのうち「現場に出向く」実習は、このような状況の中で断念せざるをえませんが、違った形で「現場に学べる」実習をつくりだそうと教員一同知恵を絞っています。他の授業も今までとは異なった形態になると思いますが、5月11日からのオンライン授業で「集う」ことができ、対面とは違った交流ができることを大いに期待したいと思います。
卒業生の皆さん、大変苦労されているものと思います。場合により多くの困難に直面している人もいるかもしれません。私たちが直接サポートをすることは難しいかもしれませんが、何かの支えの一助になるかもしれません。思い出したら、ぜひ連絡をください。あなたたちと「会話」ができることは、いつでも私たちにとって喜びであることを覚えておいてください。
保護者の方々におかれましても、ご自身の生活面のご不安とともに、お子さまの状況へのご心配も多々おありになろうかと存じます。大学・学部としても努力をしているところでございますので、現在の大学が置かれております状況へのご理解をいただくとともに、皆さまの生活の防衛の中で、できうる限りお子さまの心身合せた健康面及び生活面でのサポートもお願いできれば幸いでございます。
最後になりますが、重ねて授業開始に向けた学部の努力につきご理解をいただくとともに、引き続きご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
中村 恵