梅川由紀ゼミ
ごみから生活を考える
私は、「ごみ」はとても面白い存在だと考えています。なぜなら、ごみを通して「くらし」や「人」について考えてみると、私たちの日常を、いつもとちょっと違う角度から見ることができるからです。そもそも、ごみは私たちがうみ出したものです。それにもかかわらず私たちは、「ごみは汚い」とか「臭い」などと言って、避けようとしがちです。私たちにとって身近な存在でありながら、こんなにも嫌われた存在は、あまり類をみないように思います。何の役にも立たないように見えるごみに、私たちのくらしをより豊かにするためのヒントが隠れているように思っています。
私のゼミではこれまで「ごみから生活を考える」をテーマとしてきました。ごみを切り口に「くらしをちょっと違う角度から見て、考える」ことを大切にしています。具体的には、以下のような取り組みを行ってきました。
「使われなくなった消防ホースからコインケースを作り、「アップサイクル」を体験してみる」、「ポイ捨てごみから、その道を利用する人の特徴を想像し、ごみ対策を提案する」、「神戸の観光地を歩き、ごみ箱の配置やポイ捨て状況を観察し、問題点を明確化する」、「最新のごみ箱事情を学び、街中にごみ箱を設置すべきか否か、議論する」、「廃棄物関連施設の見学や清掃員の方へのインタビューを通して、現代社会のごみ事情を学び、ごみに関連する啓発ポスターを作成する」…。
自ら歩き、話を聞き、考え、楽しみながら学習できることを心がけています。ごみを通して、現代社会について考える楽しさを味わっていただきたいと考えています。